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店主コラム

2008年 2月 12日

「日本料理コンペティション」

※(前回より続く予定だった「ジョージ・ナカシマ」は次回にさせていただきます。)

さる2月8日、日本料理アカデミーが主催する「第一回・日本料理コンペティション」決勝大会が開催された。
朝8時過ぎ、11人の料理人達は、緊張した面持ちで作業テーブルくじの抽選箱に手を突っ込んだ。
北海道から九州まで、5つのブロックで予選を勝ち抜き、160人の中から選ばれた選手達は、この前代未聞の料理バトルの決着を付けるために、ここ京都までやってきたのだ。
9時30分、合図と共に、各選手一斉に発泡スチロールの蓋を開けた。
彼らは、今回使用する食材について、事前には一切知らされていないのだ。
中身は何なのか?
アカデミー内でも、正副の実行委員長2人しか知らなかったテーマが今、明らかになる。
鯛か?鰤もある!車エビ、アナゴ、イカ、蛤、ウニ・・・
それは魚介類と野菜、合わせて36品目もあった!

どんな食材が?

選手達は30分で献立を書き、3時間と30分で、最低7種類の料理を作り、4人前の料理を完成させなければならない!
食材を一つ一つ手に取りながら、献立を書きすすめていく選手達。迷っている暇は無い。私は思った。「なんちゅう過酷なコンペなんや!」と。

献立考え中

10時45分、ついに調理作業が始まった。

調理開始

作業状況担当の審査員が見守る中、各自思い思いに作り始める。手の早い人も遅い人もいるが、皆周辺をきちんと整頓し、俎板や布巾の清潔に気を配っている。しかし、時間が経つにつれ、その余裕も失われてくる。
火力は全てIHなので、特に出し巻き卵には苦労しているようだ。ふと眼を離した隙に、魚や鍋を焦がしてしまう人もいる。湯がいた野菜を濃さの違う地に二度漬けするという、手間のかかる仕事をしている選手もいた。
13時過ぎ、見ているだけで胃が痛くなりそうな状況の中、調理は最終段階に入った。選手も審査員も疲労困憊といった感じだ。ある審査員は、「見ている方が辛い、俺も手伝ってやりたいくらいや・・・」と漏らした。

調理最終段階

13時45分、完成した料理が試食・外観の審査会場に運ばれていった。担当の審査員は、先ず取り分けられた料理の味見を済ませてから後に、実際に器に盛られた料理の外観を審査する。見た目の先入観に影響されず、純粋に香り・歯応え・味付け等を判断するというわけだ。
16時過ぎ、審査会が始まった。

審査会

そこでは非常に興味深い議論が交わされた。上位の選手に関しては、作業審査員と試食・外観審査員ともに高得点を付けていたが、その次になると、正反対の点数を付けられた選手が結構いたのである。例えば、手際が良くて、包丁捌きも抜群(作業審査高得点)だが、喰い味の点数が悪かった(試食審査低得点)り、またその逆に手が遅く、ちょっと不器用な人の料理が美味しかったり・・・
心情的には、苦労し、頑張った選手を応援したくなる。しかし、数字は正直だ。そして、料理も作る人の人間性が正直に出てしまう物なんやと思った。
11人いれば、11通りの料理が完成する。優劣なんて関係ねえ! 頑張った選手達の姿を思い浮かべると胸が熱くなった。

表彰式

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