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店主コラム

2007年 1月 7日

「自由の鐘は鳴らない」

(前回からの続き・・・)
落水荘の余韻を楽しみながら、なだらかなアップダウンが続く高原地帯を快適に飛ばす。
左右に見える牧草地帯では牛がゆっくりと草を食んでいる。
広い芝生の庭を持つ家々には、キャンピングカーとボート、それを引っ張る小型トラックがお決まりのように並んでいる。
今日はフィラデルフィアまで戻って一泊し、明日は今回の旅のメインである、ニューホープにあるジョージ・ナカシマの工房を14年ぶりに訪れる予定だ。
映画ロッキーで有名なフィラデルフィアは、1776年7月4日の独立宣言の舞台となった事で知られている。いわばアメリカ誕生の地ということだ。私も敬意を表して、独立宣言の時に高らかに鳴り響いたという自由の鐘を見学したが、なんとヒビが入っていて今は鳴らないという。
なんじゃそれは!!と思いながらニューホープへ向かって車を走らせる。

自由の鐘

自由の鐘

お腹が減ったのでタコベルに入った。ん?お昼時やというのにお客さんがゼロ。注文しようと思ってカウンターに行くと、キッチンはすべて防弾ガラスで仕切ってあるではないか!!目の前にいる店員に向かってマイクで注文する。タコスの受け取りも、お金のやりとりも防弾仕様の透明な引出しを使う。この辺りは、この店が出来たあとに治安が悪くなったのか?それとも最初から強盗を想定した設計だったのか?・・・
とにかく、こんな雰囲気で飯が喰えるかい!!と思ってテイクアウトにした。
車に戻ろうとすると、なんと、さっきまで誰もいなかったのに、浮浪者が車の周りをウロウロしているではないか!!
きっと食い物かお小遣いを強請るつもりに違いない・・・どうしようか迷ったが隙をみてダッシュして車に乗り込んだ。素早くドアをロックして、エンジンを掛けるのももどかしく、急いでタコベルを後にした。
タコスは車を運転しながら食べるのには向いていない。具がポロポロと落ちてしまう。それにしても、普通の街角で、どこにでもあるようなファーストフード店が防弾仕様とは・・・芝生の庭付きの家々には塀さえも無かったのに・・・極端すぎるやろ!中間は無いんか?
複雑である。
Gパンに落ちたタコスの具を拾って食べながら、このまま貧富の差が拡大していったら、日本もそんな事態になるんやろかと考えていたら、またまた田園風景の中に入り込んだ。
もうニューホープまでは直ぐだ。ここはペンシルバニア州とニュージャージー州の境にあって、ニューヨークから車で3時間程の距離にある。マンハッタン島の富裕層はこうした田園の中に農場付きの別荘を持って、自家用ヘリでやってくるのだ。スケールは全然違うが、いうなれば、東京における軽井沢みたいな所だ。
そしてたどり着いた、14年ぶりのジョージ・ナカシマの工房。アプローチから駐車場に向かって、静かに車を進めた。
(次回へ続く・・・)

自由の鐘

ジョージ・ナカシマの工房

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