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店主コラム

2007年 3月 7日

「C.W.ニコルさんの『MOTTAINAI倶楽部』」

『MOTTAINAI倶楽部』は、無駄に棄てられている様な“もったいない”食材を使って料理を作り、パーティを楽しむ会です。今回は、この会の事を書いてみようと思います。
きっかけは…6年前の冬、ニコル師匠と狩猟の話をしていました。
貴船の猟師仲間の会話…
「最近鹿がムチャクチャ多いなあ~」
「家の冷凍庫も鹿肉がいっぱいで、家族に何とかせえて言われてるんや。」
「食いきれへんし、料理屋はエエトコしかいらん言うし、しゃあないし犬(猟犬)に喰わしたわ!」この辺では、こんな事態になっていますよ…と話すと、ニコル師匠が、
「それはもったいないよ!! 僕が鹿を料理するから、友人を集めてパーティやろうよ!!」
と言われて、翌‘02年の春、貴船にて第1回目の『MOTTAINAI倶楽部』が開催される事になりました。
その日、ニコル師匠は午前中から仕込みに取り掛かり、鹿スジ肉とビールの絞りカスで出来たパンを使った『鹿ハンバーガ』と、ウエールズ風『猪と豆のスープ』を作られました。それと、仲間が持ち寄った料理とワインで盛り上がりました。
その時、ニコル師匠は鴨肉も送ってこられましたが、それは、合鴨農法(酒米を低農薬で作る為、鴨に害虫を食べさせる方法)の時期が過ぎて不要になり、焼却処分される運命だった鴨でした。
「用が済んだら殺して“償却処分”???」
ニコル師匠はその鴨を300羽譲ってもらい、エサを与えて飼っているとの事でした。
それを聞いていたMさん(京都の著名な料理店主・我々のリーダー的存在)は、
「命あるもんやし、せめて食うたらどないやねん!!」
「それやったら、みんなでニコルさんとこへ、その鴨を料理しに行こうや!!」
と呼びかけられ、その場で、第2回目はニコル師匠宅で開催される事に決まりました。
その年の12月、京都の若手料理店主ら12名で『アファンの森』へ行き、みんなで捌いた鴨をいただきました。
第3回目は’03年12月、再び貴船にて『猪を食べつくす』というテーマで、和・洋・中の料理人が集まり、モツやタンをはじめ、猪足(豚足の猪版)・脳ミソのパテ等の料理を作りました。
第4回目は’04年5月、奥琵琶湖にて、害魚といわれる『ブルーギル・ブラックバス』をテーマに、開催されました。
この時は何故か途中で多くの人を巻き込んでしまい、だんだん話が大きくなり、地元の町長や政治家の方々、ブラックバス駆除賛成派や反対派の人たちも来られ、テレビ局や新聞社の取材もたくさんあって、
Mさん曰く、
「俺ら社会問題の研究してんのとちゃうで!無駄にされてる食材で料理作っとるだけやで!」という事で、
参加した仲間達も、
「疲れた~。なんか仕事してるみたいや~。」
との感想も多く、課題を残す結果となってしまいました。
そして第5回目。前回の反省を活かすべく、「今回は小じんまりやろな~」という事で、’05年5月、貴船にて開催する事になりました。テーマは『利尻産、春先昆布』というもので、これは一年物・二年物の早摘み(間引き)昆布の事です。
小じんまりやるという事だったのですが、利尻からは島民約20名が参加され、結局大所帯になってしまいました。そして、テーマが昆布だけに、参加者の料理人魂?に火が点いてしまい、30種に及ぶ料理が出来ました。

ウニと昆布

昆布の麩餅

サーモン、昆布、キャビア

06年5月の第6回目は、もっと「気楽に」やろうという事で、テーマは再び『鹿』で、貴船にて開催されました。昨今の鹿の大繁殖は、この会が出来た頃よりも数段ひどくなっていて(その様子は過去のブログでも書きましたが)猟期間外にも関わらず、4頭の鹿が集まりました。その他、大きくなりすぎて売り物にならなくなった『ジュンサイ』、『川原に自生するクレソン』等で作りました。
第7回目となる今年も、5月に開催される予定ですが、詳細はまだ未定です。ニコル師匠は、「テーマはみんなで決めればいいよ」と言われていますので、何か“もったいない”食材をご存知でしたら教えて下さい。

個人的には、この会でたくさんの素晴しい人達と知り合えた事が大きな財産になりました。今後も、楽しい出会いを期待して、この会が続く事を楽しみにしています。

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